MAKER'S PUSH!

ピジョンの商品に込められた想いや
開発担当者のこだわりをご紹介!
赤ちゃんの“できた!”を応援する「マグマグ成長実感」開発ストーリー  ~5月30日(金)より赤ちゃん本舗 先行発売~ 赤ちゃんの“できた!”を応援する「マグマグ成長実感」開発ストーリー  ~5月30日(金)より赤ちゃん本舗 先行発売~

2025.05.14

赤ちゃんの“できた!”を応援する「マグマグ成長実感」開発ストーリー ~5月30日(金)より赤ちゃん本舗 先行発売~

  • LINEロゴ

ストロー飲みやコップ飲みができるのは嬉しいけれど、哺乳びんを手放すのはちょっぴり寂しい――。そんなママやパパの声に応えて誕生したのが、「母乳実感 哺乳びん」のボトルがそのまま使える「マグマグ成長実感」です。形の違う3タイプの飲み口は、離乳食が始まる頃からの水分補給にぴったり!ストロー飲み・コップ飲み、どちらからでも赤ちゃんのペースでスタートでき、「飲む」ことへの自信にもつながります。
今回は、設計を担当した木村さんとモニターを担当した田部井さんに、商品に込めた想いや開発の舞台裏をたっぷり伺いました。

3つの飲み口 の「マグマグ成長実感」が新登場

――「マグマグ成長実感」は、どんな商品ですか?

木村さん
「母乳実感 哺乳びん(プラスチック製 240ml)」のボトルに装着して使う、「はむはむコップ」「はむはむストロー」「ごくごくストロー」という、パッキン一体型の飲み口のシリーズです。

「マグマグ成長実感」が装着できる、ピジョンのロングセラー「母乳実感 哺乳びん プラスチック製 240ml フード有り・フード無し」(左2点)と、「マグマグ成長実感」(中央3点)。一番右は「マグマグ成長実感」の専用ボトル(最大目盛り容量 210ml)。

ピジョンにはもともと「マグマグコロン」というマグのシリーズがありますが、赤ちゃんがより飲みやすく、ママもパパももっと使いやすいようにと、構造や形をゼロから見直して生まれたのが「マグマグ成長実感」です。実際に「赤ちゃんが飲みやすいか」「こぼれない・モレにくい」を軸に、何度も試作とモニターを繰り返して生まれました。

「マグマグ成長実感」の飲み口の形状に注目!赤ちゃんの口の形の研究を重ねて3タイプの飲み口を商品化。左から“はむはむ”するだけで飲み物が出てくる「はむはむストロー」、くわえやすくて口の横からのこぼれも防ぐ「はむはむコップ」、飲みやすさとモレにくさを両立した「ごくごくストロー」。

入社当初より「マグマグ」シリーズに関わってきたという、設計を担当した木村さん。「今回の『マグマグ成長実感』は、自分にとって“ゼロから関われたはじめてのマグマグ”なので思い入れも強めです」。

――その「赤ちゃんが飲みやすいか」はどのように検証したのでしょうか?

田部井さん
100人以上の赤ちゃんの飲み方を観察し、どんな月齢・どんな口の動きのお子さまでも無理なく飲めるようにと、改良を重ねていきました。

モニター調査を通して赤ちゃんの行動観察を行う田部井さん。「 “赤ちゃんにとっての飲みやすさ”をとことん追求してきました!」

――「成長実感」は3タイプの飲み口がありますが、月齢別のステップアップ仕様ではなく、どれからでもスタートできる設計にしたそうですね。

田部井さん
はい、赤ちゃんの“得意”に合わせて開発したことがポイントなんです!離乳食をスタートする頃から使っていただく設計ですが、赤ちゃんの口の動きは、単純に月齢では測れず、一人ひとりの発達や口の動きに合わせることが重要だと気づいたんです。たとえば、コップ飲みから始めてうまく飲めなかった子が「ストローに変えたらスムーズに飲めるようになった」というケースもあり、赤ちゃんそれぞれに合わせた飲み口から始められるようにしました。

木村さん
「ストローから始める」「コップから始める」どちらが先でもいいですし、併用したり途中で切り替えていただいても大丈夫です。母乳やミルクは哺乳びんで、水分補給には「マグマグ成長実感」を使っていただけたらと思います。

栄養補給の授乳は「母乳実感 哺乳びん」(左)、水や麦茶などの水分補給は「マグマグ成長実感」で。専用ボトルは、コロンとした形がキュート!(右)

赤ちゃんの“飲みやすさ”をとことん追求

\ “はむはむ”するだけで飲める!「はむはむストロー」/

「はむはむストロー」は、飲み口に軽く圧力を加えるだけで水分が上がってくる構造。まだ吸うことができない赤ちゃんでもはむはむするだけで飲める、やさしい仕組みです。

木村さん
従来のストローやスパウトは、赤ちゃんが傾けたり、吸い上げたりする動きが必要で、実は意外と難しいものなんです。そこで、「傾けなくても」「吸い上げなくても」飲める仕組みに挑戦したのが「はむはむストロー」です。

田部井さん
ピジョンは以前から、哺乳の際に特別な配慮が必要な赤ちゃんのために、ミルクの逆流を防ぐ逆止弁付き哺乳器を販売しています。この逆止弁があるおかげで、吸う力が弱い赤ちゃんでも、乳首を口や舌で軽く押すだけで液体が出てきて、一度吸い上げた液体が哺乳びんに戻ってしまうのを防げます。

逆流を防ぐバルブを使い、飲み物がストローの先や飲み口にたまり、軽い力で口に入る仕組み。

\くわえやすく、飲みやすく、こぼれない!「はむはむコップ」/

くちばしのようなデザインの「はむはむコップ」。舌でしっかり捉えられ、中心のスリットの特殊な構造により、“飲みやすくてこぼれない”を実現。

――「はむはむコップ」には、どんな工夫が詰まっているのでしょうか?

木村さん
赤ちゃんが飲みたいときにどんな状況でも飲みやすくてこぼれないようにすることが前提でした。鍵となったのが、飲み口のスリットの幅や形です。

試作を何度も繰り返して最終的にたどり着いたのが、この「はむはむコップ」の特長である“くちばし”のように少し飛び出た飲み口。くわえやすくて、飲みやすい。しかもこぼれにくいんです。

田部井さん
スリットはミリ単位で調整を重ね、赤ちゃんの口の中でスリットがどのように開くのか検証するために、口腔内カメラを使って観察。なかなか困難な開発で...、行き詰まったときにチームみんなで最初のコンセプトに立ち返って紙粘土を使って理想的な飲み口を探ったこともありました。

木村さん
試作を重ねるなかで、飲みやすさには“くわえたときに滑らず、舌でしっかり捉えられること”が大事だと気づきました。出っ張りが足りなかったり、へこんでいると唇が滑ってうまくくわえられない。それがこぼれの原因にもなっていたんです。この形にたどり着いてからは、唇でしっかりホールドできるようになり、飲みやすさがぐんと上がりました。

飲み口の中央あるスリット構造は、逆流を防ぐ“バルブ”のような役割も。唇で押したときにだけ開いて中の飲み物が少しずつ出てくる、赤ちゃんに合わせた絶妙な硬さに仕上げられている。

田部井さん
それと、赤ちゃんがコップで飲むとき、「唇で何かが来た」と感じることが大切なんです。哺乳びんのように口の中にすっぽり入るのとは違い、唇で飲み物の存在を感じる工夫をしています。これは離乳食用スプーンにも似た感覚なのですが、この体験が、赤ちゃんの「飲めた!」という自信となり、次のステップにもつながっていくと感じています。

木村さん
このスリット構造は、ピジョンとしても自信を持っている部分です!

\飲みやすさとモレにくさを両立!「ごくごくストロー」/

赤ちゃんの口に自然にフィットするよう傾斜をつけたストローの角度も、「ごくごくストロー」の飲みやすさのポイント。

――「ごくごくストロー」には、どんな工夫が詰まっているのでしょうか?「はむはむストロー」との違いも教えてください。

木村さん
「ごくごくストロー」は、赤ちゃんが自分の力で吸って飲める、より本格的なストロータイプです。先端にはスリットを入れてあり、くわえたときだけ開くようになっています。これにより、飲みやすさとモレにくさの両立を実現しました。

スリット構造により、倒してもモレにくく、安心。

スリットを入れた理由は、やはり「こぼれない・モレにくい」が大前提だったからです。フタを閉めているときだけでなく、飲んでいる最中にもモレにくい構造にしたいと考えました。

さらに、ストローの先端がボトル内で角度によって液体から離れてしまい、最後まで飲みきれないことがあるため、おもりをつけて、どんな角度でもしっかり飲み切れるように工夫しています。この“追従ストロー”の仕様は、先ほどの「はむはむストロー」にも採用しています。

どんな角度に傾けて飲んでも、ストローの先についているおもりのおかげで、最後まで飲み切れる仕様に。
※誤嚥のおそれがあるので寝た姿勢で飲ませないでください。

田部井さん
赤ちゃんのくわえる力でも開きやすいように、スリットの形状や厚み、位置を何度もモニター調査で検証しました。ほんの少しの差で飲みやすさが変わるので、細かい調整を繰り返しています。

「ストローを長くしたり短くしたり、柔らかさや硬さを変えたり...。飲み口の形だけでも10回以上は試作しました。ようやく今の形にたどり着いたときは、みんなで“これだ!”と盛り上がりました(笑)」と木村さん。

パパやママにとっても使いやすい、“思いやり設計”

――3つの飲み口に共通する、「こぼれない・モレにくい」は赤ちゃんだけではなく、パパ・ママにとっても安心ですね。

木村さん
そうですね。実際、お客様からも「気づいたらモレていた」というお悩みの声が多かったんです。ですから、「マグマグ成長実感」は飲みやすいだけではなく、「こぼれない・モレにくい」というのも設計の第一条件でした。

「はむはむストロー」

「はむはむコップ」

「ごくごくストロー」

3つの飲み口とも、逆さにして振っても、こぼれずモレにくい構造なので、持ち運びにも安心。

飲みながらカップを振り回したり、遊んだりすることも多い赤ちゃんのために、自分たちでも使いたいと思えるものを目指したという田部井さん。

――ふたもワンタッチで開けやすく、蓋を閉めるときには「カチッ」と音がして、しっかり閉まったのがわかるのも便利ですね。

開けやすくて閉めやすい蓋。赤ちゃんを抱っこしていても片手で開閉できる。

木村さん
はい、蓋の開閉は“感覚的に使いやすい”設計を意識したポイントです。育児中は手元を見る余裕がないこともあるので、「準備OK」「しっかり閉まった」が音や感触で伝わるようにしました。

パーツも極力少なくし、お手入れのしやすさにも配慮した「マグマグ成長実感」。

「今までにない商品なのでいろいろ手探りでしたし大変なことも多かったのですが、赤ちゃんと触れ合っていくなかで楽しみながら工夫できていたと思いますね」と試行錯誤した思い出を振り返る二人。

赤ちゃんの“できた!”を家族みんなで感じてほしい

――「母乳実感」のボトルを使えるようにしたのは、どんな理由があるのでしょうか?

木村さん
「母乳実感のボトルをマグマグでも使えたらいいのに」という声は、以前から多く寄せられていました。「マグマグ成長実感」の飲み口を母乳実感のボトルに付け替えるだけですぐに使える手軽さが魅力です。そしてなにより、赤ちゃんが最初に使った哺乳びんは、家族にとっても思い出深い存在。赤ちゃん自身にとっても、慣れ親しんだボトルであれば安心して使えると思います。

「マグマグ成長実感」の飲み口に付け替えるだけで、慣れ親しんだ「母乳実感 哺乳びん プラスチック製 240ml」のボトル(右)が、食卓やお出かけ先で引き続き活躍!赤ちゃんの成長を感じられるアイテムに。

――まさに「成長実感」という名前にぴったりですね!

木村さん
はい。名前のとおり、赤ちゃんの成長を感じられる商品にしたいと思っていました。ただ、それは「哺乳びんを卒業する」という意味ではありません。「授乳」と「水分補給」は別のもの。赤ちゃんが栄養をしっかり摂るための授乳はこれまで通り大切にしながら、水分補給の手段として「マグマグ成長実感」を取り入れていただけたらと思います。

「誰かの育児のそばで、少しでも役に立てる商品になっていたら、本当にうれしいです!」と木村さん。

田部井さん
私が今回モニターを重ねるなかで印象的だったのは、ストローでうまく飲めない赤ちゃんが、「はむはむストロー」では飲めた瞬間です。「できた!」と驚いたような表情を見せてくれたあの姿は、今でも忘れられません。こうした体験を通じて、月齢に合った商品を使ってもうまく飲めない赤ちゃんが多いことを改めて実感しました。だからこそ「マグマグ成長実感」では、月齢にとらわれず、一人ひとりの赤ちゃんの得意に合わせて選べるようにしています。赤ちゃんの「できた!」を一緒に見守れることは、家族にとってもかけがえのない時間。そんな体験を、もっとたくさん届けていけたらと思っています。

「モニター中の赤ちゃんが驚く顔や、ママやパパたちの喜ぶ顔を思い出すと涙が出ちゃいそう!」とにこやかに笑う田部井さん。

今回取材したのはこの人

数年間もの間「マグマグ成長実感」の開発に携わってきただけあって、息もぴったりな、赤ちゃんナレッジグループでモニター調査を担当した田部井さん(左)と、設計開発グループの木村さん(右)。

文・写真/エチカ

▼こちらもチェック!

  • LINEロゴ

関連する記事はこちら