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ベビーカー開発者に聞く、ベビーカー選び8つのポイント ベビーカー開発者に聞く、ベビーカー選び8つのポイント

2022.01.13

ベビーカー開発者に聞く、ベビーカー選び8つのポイント

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赤ちゃんとの毎日に欠かせないベビーカー。生まれたばかりの大切な命を運ぶものなので慎重に選びたいですよね。でも、「どんな点に注意して選べばいいのかよくわからない」というパパ・ママの声も多く聞かれます。そこで、ピジョンのベビーカー開発を担当するベビー大型商品設計G 津田 賢一郎さんに、ベビーカー選びのポイントを8つ教えてもらいました。

(ポイント1)ベビーカーを使うシーンを想像してお店に行こう!

--ベビーカーは購入すると買い替えが難しいので、選ぶ際に悩むパパ・ママも多いようです。まずベビーカー選びを考えはじめたら、どんな準備をしたらいいでしょうか?

津田さん
赤ちゃんが生まれるまでは一緒の生活をイメージしにくいと思いますが、自分たちの生活スタイルを振り返ることが、まずベビーカー選びの第一歩です。普段の移動手段は何か、自宅環境はどうか。さらに生まれた後についても想像して、赤ちゃんと一緒に行きたい場所はどこか、ベビーカーを使い始める時期はいつか、など。そして自分たちが重視したいことを夫婦で話し合ってから、ベビーカー選びにお店に行くといいでしょう。

--ベビーカーの設計担当として、とくに重視するといい点があればアドバイスをお願いします。

津田さん
「押しやすさ」ですね。日本では軽さを重視する人が多いのですが、ベビーカーを持ち上げて運ぶシーンは多くありません。それに軽さばかりに目がいくと、安定性につながるバランスの確保も難しくなります。それよりも走行時の押しやすさが大事で、そのためにどうすればいいかを私たちは日々試行錯誤しています。

--ピジョンのベビーカーの特長として、「シングルタイヤ」がありますが・・・。

津田さん
そうですね。シングルタイヤは押しやすさを追求して採用しているこだわりの1つです。ヨーロッパなどの石畳の多い地域で一般的に採用されており、ダブルタイヤよりも地面に接しているタイヤの数が少ないので、抵抗や衝撃が少なく、でこぼこ道や段差でもスムーズに走行することができます。

シングルタイヤの設計図と測定器・ノギス。 ノギスでタイヤ幅を測っている。 3D画像が表示されたノートパソコンの画面。

(左)シングルタイヤの設計図と測定器・ノギス。(中)ノギスは100分の5mmまで測ることができ、津田さんの大切な相棒。(右)3D画像を確認しながら、パーツに不具合がないかを検証。その後、試作品を経て、製品化へ。企画から新製品の完成まで1~2年半ほどかかる。

--海外製のシングルタイヤに比べて、ピジョンのシングルタイヤはとてもコンパクトな印象です。

津田さん
生活環境の違いもあり、確かに海外製はタイヤの径が大きいものが多いかもしれません。一方、ピジョンが目指しているのは、日本の生活環境にあった使い勝手のいいベビーカー。でもただ小さくすればいいのではなく、たとえばこのランフィでは赤ちゃんが低月齢時によく使う対面走行では赤ちゃんの頭を支えられるように、大きなタイヤが前輪にくるように設計しています。

--大切な赤ちゃんを守りたいというピジョンの想いですね。

津田さん
赤ちゃんが快適ということはベビーカーをスムーズに押せている証で、パパ・ママにとっても体への負担が少ない状態です。ぜひベビーカー選びで重視したいこととして、押しやすさとシングルタイヤを覚えておいてください。

(ポイント2)ベビーカーにはおもりを乗せて押してみよう!

--次に、実際にお店でどのようにベビーカーをチェックしたらいいのか教えてください。

津田さん
お店に赤ちゃんの体重を想定したぬいぐるみなどのおもりが置いてあるなら、ベビーカーの座席に乗せてから走行体験をしましょう。多くのベビーカーは0~3才まで使うことを想定してつくられていて、赤ちゃんが新生児の3kgでも成長して15kgでも、押しやすさが変わらないのが良いベビーカーといえます。

赤ちゃんの体重を想定したぬいぐるみなどのおもりをベビーカーの上へ。

走行体験はおもりを乗せてからがポイント!

--なるほど。他には何かありますか?

津田さん
でこぼこ道の疑似体験コーナーがあったら必ず試してください。お店の床はフラットで押しやすいことがほとんどなので、実際の道に近い状態を試すことで、赤ちゃんを乗せたイメージをパパ・ママはより掴みやすくなるはずです。

お店ででこぼこ道が用意されていたらぜひ試してみて。

--購入前に擬似体験できるのは嬉しいですね!パパ・ママの意見として、でこぼこ道でベビーカーがあまりにぐらつくので、赤ちゃんが心配で抱っこしたというものがありました。

津田さん
ピジョンではぐらつきが少ない剛性の高いフレームにするために、パイプのつなぎめを溶接したり、接合部分の隙間を極力なくす設計をしたり、振動を吸収するクッションや足元のスイング式サスペンション、タイヤにもこだわっています。それぞれの機能を最大限に引き出しつつ、バランスをとって作り込むことで、ママにも赤ちゃんにもやさしいベビーカーになると考えています。

ベビーカーのタイヤ接合部に手を添える。 空洞がある中空タイヤを指さす。

(左)振動をやわらげるための工夫が随所に。(右)空洞がある中空タイヤ。空気がクッション代わりになり衝撃を吸収してくれる。

(ポイント3)ベビーカーを試す時はお店をぐるっと1周、お買い物を疑似体験しよう!

--3つめのポイントとして、お店を1周しようということですが・・・。

津田さん
ベビーカーでの外出時に多いシチュエーションとして、駅の改札やお店の通路のような道幅の狭い場所や曲がり角があります。せっかくベビーカー選びでお店にいるのだから、一言お願いして、売り場をぐるっと周って通路を体験させてもらいましょう。

--そういえば、小回りの利かないベビーカーだとお店で無理やり動かしたり、改札でうまく曲がれずに何度も引っかかったりして、他のお客様の目が気になってしまう、というママの話を聞いたことがあります。

津田さん
そうでしょう。1周する際は、先程お話ししたようにおもりを乗せることを忘れずに!重くなると小回りが利きづらくなるので、購入前に体験しておけると後悔が少ないはずです。そして、この時チェックしたいのは、操作中にハンドルががたつかないか、手に余計な力がかかっていないかどうかです。

揺らしてがたつきをチェック!

--抱っこなどで腱鞘炎になるママも多いといいますし、体に負担のかからないのは嬉しいですね。

津田さん
小回りが利くことは、押しやすさにもつながるので大事なポイントです。ピジョンのベビーカーはシングルタイヤなので、改札のような広い場所から狭い場所への操作性もいいので、ぜひ体験してみてください。ボールベアリングや溶接接合もスムーズな小回りには欠かせないポイントです。

取りまわした時のベビーカーのタイヤ付近。 ベビーカーのタイヤ部分。

(左)小回りの利くシングルタイヤ。(右)ボールベアリングでカーブの動きもよりスムーズに。

手に負担がかからずにスムーズに曲がれるかチェック!

(ポイント4)メジャーを使って赤ちゃんが成長しても使いやすいかチェック!!

--次に、メジャーを使って確認するということですが、どの部分を計ればいいでしょうか?

津田さん
ポイント1でもお話しましたが、赤ちゃんはどんどん成長します。ですから赤ちゃんの成長を見越した上でベビーカーを選ばなければいけません。そのためにもシートの広さをしっかり確認しましょう。

--生後1ヵ月の赤ちゃんと3才の赤ちゃんでは、大きさもかなり違いますね。生後1ヵ月の赤ちゃんに合わせて購入してしまうと、あっという間に窮屈になってしまいそう…。

津田さん
その通りです。ではまずは横幅から。日本のベビーカーの横幅は、駅の自動改札を通れるように設計されていることが多いので、その決められた横幅の中でより座面が広々としたものを選ぶとよいでしょう。次にシートの縦の長さ。赤ちゃんが座る股ベルトの部分から背もたれの長さが十分確保されているか、成長した時も頭がしっかりシートに収まるかを確認してください。ちなみにピジョンでは、背もたれの長さをリクライニングをした状態で38cm、リクライニングをしない状態で53cm、と十分な長さを確保しています。

赤ちゃんの腰の位置のベビーカー横幅を測定。 赤ちゃんの腰から頭までのベビーカー長さを測定。

赤ちゃんの腰の位置の横幅、腰から頭までの長さを測定。

--足を置く前側についてはどうでしょうか?

津田さん
この部分もとても重要です。赤ちゃんの足が成長して長くなっても足をしっかり支えてくれるかどうか確認しましょう。この部分が短いと、腿や膝の裏側が痛くなることもあります。ピジョンのシートではこの部分も十分に長さを確保していて、またクッションも厚みのあるものを採用しているので安心ですよ。

腿や膝の裏側が当たるベビーカー前側を測定。 前側のシートの角度が変えられるフットサポート。

(左)腿や膝の裏側が当たる前側もチェック!(右)前側のシートの角度が変えられる足のせバーも嬉しい機能。

--購入するときには見落としがちないポイントですね。

津田さん
赤ちゃんはお喋りできないので、自分の意見を言えません。ベビーカーはどうしてもママにとって嬉しい機能が多いものが選ばれやすいのですが、それだけではダメだと思っています。与えられた条件の中で、いかに赤ちゃんに快適に過ごしてもらうかを日頃から追求しています。パパ・ママもベビーカー選びの際に、赤ちゃんの気持ちになって考えてみるといいですね。赤ちゃんのため、そしてパパ・ママのため。バランスの取れたベビーカー選びが大切です。

(ポイント5)シートの素材は通気性だけじゃなく、赤ちゃんの汗もカバーするかチェック!

--次のポイントはシートの素材についてですが・・・。

津田さん
赤ちゃんは大人が思う以上にたくさん汗をかくので、シートが汗でビショビショということも頻繁に起こります。よく通気性がよければいいとパパ・ママは思いがちなのですが、それだけではダメ。赤ちゃんが汗をかいた後に風を通して涼しいだけではなく、水蒸気になった汗までしっかりと逃がしてあげる透湿性があるかどうかがポイントです。

ベビーカーシートをのぞきこみ確認している様子。

通気性だけではなく、透湿性もチェック!

--確かに、赤ちゃんが冬でも汗でびっしょりで驚いたという話もよく聞きます。

津田さん
ピジョンのベビーカーで使用している生地は、赤ちゃんが汗をかいてもサラッと過ごせる快適性を追求しています。そして取り外してお洗濯ができるので、いつも清潔な状態を保っていただけます。

--それはいいですね!赤ちゃんはあせもができやすかったり、皮膚のトラブルも気になるので、ママも気になるポイントだと思います。その他に素材に関してこだわりは何でしょうか。

津田さん
適度な弾力性ですね。メッシュとクッションの組み合わせによって柔らかい構造にはなっているのですが、沈みこみ過ぎず、反発しすぎない、ちょうどいいバランスが大事だと考えています。赤ちゃんは手足をよく動かすので、その動きを妨げないような素材選びをしています。

ベビーカーシートの弾力性を手でチェックしている様子。

柔らかすぎず、硬すぎない適度な弾力性がポイント

--大人でもクッションが体に合わないと、腰が痛くなったりすることがあります。赤ちゃんが自分で動きたいように動けるかがポイントなんですね!

(ポイント6)片手で開閉してみよう!

--次はベビーカーの開閉についてですが、片手で操作できることが大事なのはなぜでしょうか?

津田さん
ベビーカーを開閉するシチュエーションとしては、赤ちゃんを抱っこしていたり、バッグなどの荷物を手にもっている機会が多いと思います。もし片手で操作できないと、赤ちゃんを一旦どこかに置いておかなければいけません。外出先の環境ではそれはなかなか難しいですよね。そこで片手でベビーカーを開けられるか、たためるかが重要です。

ベビーカーを手軽に開閉!

津田さん
一般的なベビーカーは折りたたむ方向に手の力を加える必要がありますが、ピジョンのベビーカーはその力を重力にやってもらいます。レバーを引いてベビーカーを手前に傾けるだけで、ベビーカー自体の重さによって自然にたたまれる構造です。ほぼ何の力も加えることなく折りたためるので、片手でも簡単。そして開くときは手前ではなく向こう側へ倒す重力に反する動きを取るだけ。この手軽な操作のために、タイヤの位置なども細かく設計しています。

--すごいですね!ちなみに折りたたんだ状態での自立性についてはどうお考えですか?

津田さん
シングルタイヤだと安定性に不安をもたれる方がいますが、じつはタイヤの数は安定性には関係なく、一番外側にあるタイヤがどの位置にあるかが重要です。ピジョンではこの自立時の安定性と折りたたむ際に重力のかかりやすさのバランスにこだわっています。

折りたたんだベビーカーを自立させる様子。

自立時の安定性もポイント。

(ポイント7)旅行カバンをもってお店に行こう!

津田さん
赤ちゃんとのお出かけはおむつやブランケット、着替え、食べ物、おもちゃなど、かなりの量の荷物になることが多いです。その状況を想定して、ベビーカーのカゴにカバンを出し入れして体感してみましょう。

ベビーカーのカゴに荷物を入れる。

実際に荷物を入れる動作を体験しよう。

--大人でいうと1泊分くらいの荷物の量でしょうか?

津田さん
そうですね。ちなみに日本製のベビーカーだと、一般的にカゴの容量は5kgまで、とされているものが多いです。そうなるとポイントになるのは、出し入れがしやすいかどうかです。ピジョンのベビーカーは出し入れの邪魔にならないようにできるだけ余分なフレームを排除した設計で、間口を広く取っています。

--容量ばかりを気にして、実際に使い出してみたら荷物を入れづらくて大変、という後悔がなくなりますね。

津田さん
ベビーカーは赤ちゃんを乗せるだけでなくカゴに荷物を載せる役割ももっています。頻繁に使うものなので、気軽に出し入れできるかがベビーカー選びの大きなポイントです。

--そういえば、ベビーカーのカゴに赤ちゃんの靴を入れておいたら片方落としてしまったという声も聞きますが、どんな点を確認すればいいですか?

津田さん
公園や歩道に靴が片方だけ落ちている光景、見かけますよね(笑)。赤ちゃんの靴のような軽いものは実際に落ちやすいので、荷物を入れた時に落ちづらい構造かも確かめたいポイントですね。

ベビーカーのカゴに手を入れて構造を確認している。

入れたものが落ちにくい構造か、しっかりチェック!

(ポイント8)移動に車を利用する人はトランクの大きさを測っていこう!

--最後のポイントですが、普段から車で移動する機会のあるパパ・ママにはぜひチェックしてほしいポイントですね。

津田さん
ピジョンのベビーカーは日本の生活環境に合わせて設計してあるので、家の玄関や車のトランクに収まるようなサイズになっています。ですが、コンパクトカーなどには高さは大丈夫でも横幅や奥行きが入らないこともあるので、必ず3方向すべてメジャーできちんと測ってからお店に行くようにしましょう。 いざ購入という時、「あっ、車のトランクに入るかな?測ってからまた来ます!」という方が結構多いんですよ。

--そうすれば、二度お店に行く手間も省けますね。効率よくベビーカー選びを進めるには外せないポイントですね!

折りたたんだベビーカーのタイヤ周りを確認している。

タイヤ周りもコンパクトにたため、トランクへの積載の邪魔にならない。

ベビー大型商品設計G 津田 賢一郎さん

開発者は1台のベビーカーを構成する約300の部品のすべてをチェックし、パパ・ママが安心して赤ちゃんを乗せていただけるように日々取り組んでいます。

教えていただいた8つのポイントを忘れずにチェックして、迷いや後悔のない自分たちの生活にぴったりな一台を見つけたいですね。

ピジョン ランフィ(Runfee) RB1

Runfee RB1

スイスイ動いてのびのび乗れるピジョンのA形シングルタイヤベビーカー、Runfee(ランフィ)が進化した2021年モデル。段差乗り越え性と振動吸収性が向上し、お出かけがもっと楽しく。

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