妊娠中や産後のママに欠かせないアイテム「骨盤ベルト」。2006年に発売されて以来、ピジョンのなかでもロングセラーの人気シリーズです。改良を重ね、2024年1月には「妊娠中から使える骨盤ベルト」に「履くタイプ」が新たに登場!発売当初からずっと開発にアドバイスをしてくださっている助産師の瀬井先生は、助産師歴60年以上で、助産院を開設してから3,500人の赤ちゃんの出産に立ち会う大ベテラン。骨盤ベルトの重要性や開発ストーリーについて、ピジョン株式会社の商品開発に携わる米本さん、商品企画担当の武藤さん、マーケティング担当の前川さんと共にお話を伺いました。
骨盤ベルトはなぜ必要?
――妊娠や出産で骨盤にはどのような変化がありますか?
ピジョンの骨盤ベルトは2タイプ。「妊娠中から使える骨盤ベルト 履くタイプ」(左)と「妊娠中から使える骨盤ベルト」(右)。
瀬井先生
妊娠すると産道を広げようとするホルモンの働きで、骨盤をささえているじん帯がゆるみます。そこに自らの体重と赤ちゃんの重みがかかることで腰痛、恥骨痛や骨盤が不安定になります。
また、産後の女性のからだは出産によって恥骨結合がゆるみ、ゆるんだ骨盤をそのままにしておくと、腰痛や尿モレ、下半身太りの原因になることもあると言われています。
やさしく丁寧に、ときに力強く経験を語ってくださる瀬井先生。
関節が緩むことで特に痛みや不快感が出るのは恥骨周辺(中央水色部分)。
――骨盤ベルトの使い始めのタイミングはありますか?
瀬井先生
日本での古くからの習慣で妊娠5ヵ月目の最初の戌の日に、安産を祈願して「腹帯」を巻く習慣がありますよね。それで5ヵ月を目安にされる方も多いのですが、気になってしまう前に使い始めるのがおすすめです。妊娠がわかったときから使い始めてもいいくらい。そうするとお腹が大きくなってきても、安心です。
「お腹が大きくなるにつれて反り腰になりやすくなり、腰に負担がかかります」と瀬井先生。
武藤さん
わたしも妊娠中、ピジョンの骨盤ベルトに大変お世話になりました。妊娠中はもちろんですが、産後にも大活躍してくれました。
ご自身もピジョンの骨盤ベルト愛用者だったという企画担当の武藤さん(左)と瀬井先生。
瀬井先生
そうですね。骨盤ベルトはしっかりと骨盤をサポートしてくれます。体はだいたい産後3ヵ月である程度まで戻るのですが、しっかりと戻るには1年近くかかります。その期間の使用を特におすすめしますが、実は2年3年と使い続けてもいいものなんですよ。骨盤はいろいろな負荷を受けとめる大切な部分ですから。
「履くタイプ」の誕生ストーリー
――先生は初代の「骨盤ベルト」の商品開発から携わってこられたそうですね。
瀬井先生
助産師として働き始めたのが60年以上前になりますが、ピジョンさんとのお付き合いも30年になります。「ラマーズ法」が日本に入ってきた際に一緒に解説のビデオを制作したのがはじまりでした。骨盤ベルトにも当初からずっと携わっておりますが、研究を重ねるピジョンのみなさんの熱心さには感心しています。お客様の声をしっかりと聞いて、履き心地や素材を求めて、より良いものになっていると感じていますね。
歴代の商品の数々。瀬井先生の顔写真がパッケージにデザインされた初代の骨盤サポートベルト。
米本さん
わたしは初期の商品の開発から携わっていますが、先生のところに何度も足を運んで相談しましたね。今もですが(笑)。単純にベルトで固定するだけじゃないんですよ、先生がおっしゃってくださったように、使い心地や使いやすさにこだわり、ゴムバンドの仕様や素材をアップデートし続けています。
開発に携わる米本さん(右)。初代と現行品を見比べながら、妊婦さんの骨盤トークに花が咲きます。
骨盤ベルトの担当になり、お客さまの声の多さに驚いたというマーケティング担当の前川さん。
前川さん
妊婦さんの声を参考にしながら時間をかけて開発してきているので、ピジョンのなかでも「骨盤ベルト」は、「腰が気になりでかけるのが億劫でしたが、お散歩が楽しくなりました」「ずれにくく、ぐっと締まるので安心感があります」「着脱が簡単なのに安定感があります。産後まで毎日お世話になります!」などの嬉しいレビューも多く、たくさんの方にご愛用いただいている人気商品なんです。
瀬井先生
嬉しい声ですね。実は、「骨盤ベルト」に最初からパンツタイプがあればと私は思っていたんです。ベルトタイプでも一度使い方を覚えたら難しくはないのですが、お腹周りのことなのでみなさん不安に思うようです。「どうやって使ったらいいのですか?」と、実際に産院を訪ねて来られた方もいましたね。
――産院にまで!それでは瀬井先生にとっても今回の新商品は待ちに待ったアイテムということなんですね。「履くタイプ」発売のきっかけはなんだったのでしょうか?
米本さん
骨盤ベルトを購入したけれど慣れないうちは、「正しい装着位置がわからない」、「着用中にズレてしまう」、「トイレの際など着脱が面倒」というプレママやママのお悩みの声がきっかけでした。今回パンツに骨盤ベルトを着けたことで、はじめての方でもベルトの位置を迷わずに着用いただけるようになったんです。
瀬井先生
この「履くタイプ」は本当に画期的な商品だと思いますね。
腰回り全体をしっかりと覆ってくれる安心感と、すっきりしたデザインを両立。細身のパンツにもひびきません!
\助産師の瀬井先生も太鼓判!「履くタイプ」のこだわりポイントをチェック/
動いてもズレにくい立体設計で、仕事やお出かけ時に安心!
立体設計を用いたベルトが身体にしっかりフィット!動いたり座ったりしてもズレにくくなっています。
ベルトをしっかり締めてもおしりに食い込まないようにするため、ボクサータイプのパンツを採用。
ベルトは本体ベルトと外側ベルトの2段階で、締め加減の調整も可能
内側の本体ベルトを締めた後に、外側ベルトでサイズ調整を行う2段階構造でしっかりと締めることがでます。体調に合わせて心地よい位置でサポート感と締め加減を調節できるのも嬉しいポイント。
お腹の部分はVの字にデザインされ、産前産後とも快適に着用できる。
1日中快適に着用できる、やわらかくムレにくい素材
伸縮性の良いやわらかい素材を使用しているため、くい込みにくく痛くなりません。さらにパンツ部分はムレにくい吸水速乾素材を使用。股部分は綿素材なので、ショーツの上から重ねて履いても、1枚履きでも、お好きな方法で着用が可能。
ベルトを縫い付ける位置にもこだわり、お尻側にマチをつけて強度をプラス。
「ベルトタイプ」と「履くタイプ」、どう使い分ける?
――履くタイプがあれば、ベルトタイプはもう必要ありませんか?
前川さん
いいえ、そういうことではないんです。もともと骨盤ベルトは洗い替えなどで2本持っているという方が多いので、そのひとつを「履くタイプ」にするのがおすすめです。というのも、「ベルトタイプ」には着脱が簡単というメリットがあり、さらに服の上からでも装着できるので、家にいるときは「ベルトタイプ」、外出する際は「履くタイプ」などという使い分けもできます。
慣れれば気軽に使える「ベルトタイプ」。おしり部は通気性がよくムレにくい、メッシュ素材を採用。骨盤ベルトを着ける位置は、骨盤の出ている場所と太ももの骨が出ている場所のちょうど中間くらい。ベルトを前に引っ張って恥骨の位置を意識して留めると◎。
米本さん
一方で「履くタイプ」は外出時のストレスを軽減してくれます。歩いていてずれることもありませんし、外出先のトイレで外したベルトの置き場に困ることもありません。1枚でショーツとして履けるので、洋服のシルエットに影響しないのもメリットですね。素材にもこだわっているので肌触りも優しくてムレにくく、1日中快適に着用いただけますよ。
骨盤ベルト初心者に優しい「履くタイプ」は、外出時に心強いサポートアイテム。
超ベテラン助産師さんから、プレママ&ママへのアドバイス
――助産師として超ベテランの先生にプレママ&ママさんたちにアドバイスをいただきたいと思います!その前に、助産師という仕事の魅力はなんですか?
瀬井先生
60年の間には、出産に立ち会った赤ちゃんがお母さんになって、生まれた子が出産するなど3代にわたって立ち会ったこともあります。赤ちゃんが生まれるその瞬間っていうのは、何度体験しても本当涙が出るほど嬉しいですよ。
米本さん
これまで何人の出産に立ち会われたんですか?
瀬井先生
3,500人くらいですね。
米本さん、武藤さん、前川さん
3,500人!すごい人数ですね!!!その知識と経験がピジョン製品に生きています。ありがとうございます。
インタビュー中は瀬井先生を囲んで終始和やかな雰囲気。矢継ぎ早の質問にも熱心に答えてくださいます。
――骨盤ベルトは妊娠中からの使用がおすすめとのことですが、妊婦さんにはこれまでどのようなことをアドバイスしてきましたか?
瀬井先生
妊娠したら必ず言ってきたのは、「足腰を冷やさないようにする」ということです。冷えると痛みにつながりますから。足や腰が痛くないっていうことは、体を動かすことができるんです。6キロぐらいは毎日歩いてください。だいたい1時間半くらいです。一度には大変かもしれませんが、午前中と午後に分けたりなどで運動量を増やすことは可能です。そしてなぜ運動が必要かというと、健康な妊婦生活を送ると、出産も良いものになるからです。これまで3,500人を見てきた経験から、もちろん誰もが陣痛は痛いけれども、よく体を動かして健康な妊婦生活を送っていた人は、短時間で安産な傾向がありました。
「ベルトで骨盤を締めることで負担を軽減することがきるので、行動力も上がります!」と瀬井先生。
前川さん
妊婦さんの運動のサポートに、骨盤ベルトも一役かってくれているんですね。
瀬井先生
そうですね、先ほども言いましたが、骨盤に負担をかけるのはよくないので早めに骨盤ベルトを使用し始めるのがおすすめです。そして産後も、体を戻すサポートになるので着用してくださいね。
前川さん
産後のママにはどんなアドバイスをされるんですか?
産後にゆるんだ骨盤をそのままにしておくと、さまざまな不調の原因に。産後もすみやかに骨盤・恥骨をしっかりサポートすることが重要!
瀬井先生
産後の悩みのひとつが尿漏れと話しましたが、骨盤底筋を鍛えることです。わざわざそのための時間を作らなくても、信号で立ち止まったらきゅっと締めることを意識するというだけでもいいんですよ!肛門、膣、尿道をキューっと締めるイメージで。人生100年時代、筋肉は使わないと衰えますから、産後に限らず習慣にしてみてくださいね。
――早速今日からスタートしてみます!最後に、米本さん、武藤さん、前川さんからも、プレママ&ママさんへのメッセージをお願いします。
米本さん
瀬井先生とともに、長い間改良を重ね続けてきた「骨盤ベルト」のシリーズですが、現状に満足することなく、今後もさらに良くなるよう、研究を続けてアップデートしていきたいと思います!
武藤さん
この度発売した「妊娠中から使える骨盤ベルト 履くタイプ」の反響の大きさにはびっくりしました。みなさん同じ悩みを抱えているんですよね。こだわって作った商品なので、ぜひ使いやすさや履き心地の良さを、実感していただけたらと思います。
前川さん
こうやって商品がアップデートできるのも、お客さまから届くたくさんの声のおかげでもあります。使用した感想やこうだったらいいなというご意見を、丁寧にレビューしてくださり、そういう声は励みになっていますし、もちろん商品開発にも生かされていますので、ぜひこれからもご意見やご感想をお寄せくださいね。
――瀬井先生、そして米本さん、武藤さん、前川さん今日はありがとうございました。「妊娠中から使える骨盤ベルト」と「妊娠中から使える骨盤ベルト 履くタイプ」、ぜひお試しくださいね!
「妊娠中から使える骨盤ベルト」はピンクのパッケージ、「妊娠中から使える骨盤ベルト履くタイプ」はグリーンのパッケージをチェック!
今回お話を聞いたみなさん
助産師
瀬井先生(右から2番目)
助産師歴60年以上で、助産院を開設してから3,500人の赤ちゃんの出産に立ち会う。
ママと赤ちゃんの笑顔がパワーの源。
ピジョン株式会社 開発担当
米本さん(右)
マタニティインナーの開発や企画に携わる。骨盤ベルトは初期の頃から担当。
ピジョン株式会社 企画担当
武藤さん(左)
スキンケア商品や消耗品系の担当を経て、現在はマタニティインナーの商品企画を行う。
ピジョン株式会社 マーケティング担当
前川さん(左から2番目)
ベビーカーのマーケティングを経て、現在はマタニティインナーを担当。
制作*エチカ