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ピジョンの商品に込められた想いや
開発担当者のこだわりをご紹介!
【家族のお出かけが最高に幸せな時間に】ママ・パパ・赤ちゃんと歩み続けて10年、辿り着いたピジョン自慢の“シングルタイヤ”ベビーカーとは。 【家族のお出かけが最高に幸せな時間に】ママ・パパ・赤ちゃんと歩み続けて10年、辿り着いたピジョン自慢の“シングルタイヤ”ベビーカーとは。

2025.02.12

【家族のお出かけが最高に幸せな時間に】ママ・パパ・赤ちゃんと歩み続けて10年、辿り着いたピジョン自慢の“シングルタイヤ”ベビーカーとは。

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“ベビーカーは家族が楽しい時間を過ごすためのもの”。その信念から生まれたピジョンのシングルタイヤベビーカー「Runfee(ランフィ)」。10周年を迎えた今、開発秘話を商品戦略担当の渡邊さん、開発担当の加藤さんと折野さんに伺いました。ベビーカーへの想い、お客様のさまざまなお悩みから学んだというベビーカー選びのポイントも必読です!

左から、商品戦略を担当する渡邊さん、開発を担当する折野さんと加藤さん。

左から、商品戦略を担当する渡邊さん、開発を担当する折野さんと加藤さん。

お客様のさまざまなお悩みに寄り添い続けた10年間

――Runfee(ランフィ)といえば「シングルタイヤ」というイメージがありますが、そもそも「シングルタイヤベビーカー」を開発するきっかけを教えてください。

渡邊さん
当時、私たちは哺乳びんやケア用品の開発を中心に行っており、ベビーカーはまったく未知の領域でした。それでも、「お客様自身では気が付いてない潜在的なニーズに応えたい」「家族のお出かけを最高に楽しく幸せな時間にしたい」という想いから、本格的にベビーカー事業に参入していくことになりました。

市場を調査すると、当時は「オート4輪」「軽量コンパクト」といった機能が求められる傾向にありました。しかし、まず私たちは、ママやパパが気づいていない「諦めている不便さ」に着目することからスタートしたんです。たとえば、「段差でつまずく」「スムーズに曲がれず周囲に気を遣う」といった、日常に潜む小さなストレス。これまでのベビーカー業界の常識を変えることが必要なのでは?とチームで議論を重ねていきました。

「私たちはまったく別の視点からベビーカーを見直したんです!」と、ベビーカー事業に長年携わっている渡邊さん。

「私たちはまったく別の視点からベビーカーを見直したんです!」と、ベビーカー事業に長年携わっている渡邊さん。

加藤さん
2013年当時、日本のベビーカーは「ダブルタイヤ」が主流。さらに、その扱いが「雑貨」位置づけだったんですよ。まず、そこにすごく違和感を感じました。ベビーカーは運ぶための道具じゃなくて、ママやパパの子育てや生活を支えてくれる存在で、赤ちゃんと一緒に移動を楽しむ「乗り物」だと思っていたからです。その価値をもっと大切にしよう、そう考えて、海外の市場や製品も視野に入れながら、改めて開発に取り組むことにしました。

シングルタイヤのスタートから設計を担当してきた加藤さんは、「どの部分にも思い出があって、涙が出ちゃいそう(笑)」と、10を年振り返ってくれました!

シングルタイヤのスタートから設計を担当してきた加藤さんは、「どの部分にも思い出があって、涙が出ちゃいそう(笑)」と、10を年振り返ってくれました!

――「シングルタイヤベビーカー」というアイデアはどのように生まれましたか?

渡邊さん
ヨーロッパでは、ほとんどのベビーカーが「シングルタイヤ」なんです。その理由を調べるうちに、「シングルタイヤの方が走行性に優れている」と気づきました。このアイデアを基に、日本のママやパパが求める軽量コンパクトな使いやすさ、ピジョンらしさを加えることを決めました。

開発では、日本のママたちに集まってもらい意見を伺うと、「どれも似たようで選ぶのが苦痛」という反応でした。しかし、日本製の後にヨーロッパ製のシングルタイヤを試してもらうと、「スキップしながら押せる!」「楽しい!」と笑顔に。その瞬間、「これだ!」と確信しました。見た目の魅力だけでなく、実際に押した感触の違いが一目瞭然だったんです。

折野さんは先輩たちの苦労の積み重ねで生まれた成果を現在の開発に活かしている。「当時の苦労話をちゃんと聞くことはないので...」と、2人の話に興味津々。

折野さんは先輩たちの苦労の積み重ねで生まれた成果を現在の開発に活かしている。「当時の苦労話をちゃんと聞くことはないので...」と、2人の話に興味津々。

――新しい「シングルタイヤのベビーカー」の開発で大切にしたことは何ですか?

渡邊さん
「買うときも、使うときも楽しい」ベビーカーを目指しました。これまでのベビーカーは機能やスペック重視で、選ぶのが大変という声もありました。そこで、ワクワク感を大切にした商品を作りたいと考えました。

また、「狭い場所で周囲に迷惑をかけそう」「段差でまごつくと格好悪い」という声や、赤ちゃんにとっての「不快さ」「景色が見えない閉塞感」といった課題にも注目しました。

「どこでもスムーズに、自分の思いどおりに動ける」「外の景色や空気を感じられる」――そんな体験を叶えるデザインを目指しました。

「 “楽しい未来が待っている”とワクワクした希望を持てるような商品でありたいと考えました」と渡邊さん。

「 “楽しい未来が待っている”とワクワクした希望を持てるような商品でありたいと考えました」と渡邊さん。

――開発で特に苦労した点や乗り越えた課題は何でしたか?

加藤さん
ダブルタイヤからシングルタイヤへの移行は、設計の根本から見直す大きな挑戦でした。タイヤが1つになることで「倒れやすいのでは?」という不安を解消するため、フレーム形状を工夫しました。また、段差をラクに乗り越える16.5cmの大径タイヤを開発。見た目だけでなく機能性にも差を生み出しました。

日本市場で求められる「軽量コンパクト」を実現するのも苦労しました。軽量化と安定性を両立させるため、素材や構造を徹底的に見直し、工場とも粘り強く交渉。結果、「軽量で安定感があり、思いどおりに進める」ベビーカーが完成しました!

「シングルタイヤ」という答えにたどり着いたのは2013年、翌年12月には先行予約を開始した初代「Runfee(ランフィ)」。当時を振り返り、「開発スピードは速かったものの、その道のりは決して簡単ではありませんでした」と加藤さん。

「シングルタイヤ」という答えにたどり着いたのは2013年、翌年12月には先行予約を開始した初代「Runfee(ランフィ)」。当時を振り返り、「開発スピードは速かったものの、その道のりは決して簡単ではありませんでした」と加藤さん。

ベビーカー選びで大事なのが“タイヤ(足元)”である理由

――改めて、「シングルタイヤ」の魅力はなんでしょうか?

加藤さん
ベビーカーを「乗り物」として考えると、最も重要なのは「走行性」です。開発初期には、「直進走行性」「展開操作性」「展開安定性」「静粛性」「段差乗り越え性」「振動吸収性」の6つを走行性のファクターとして挙げました。このすべてを実現するには「シングルタイヤ」なんですよね!

当時の資料を見ながら10年間に思いを巡らせる開発チームの折野さんと加藤さん。

当時の資料を見ながら10年間に思いを巡らせる開発チームの折野さんと加藤さん。

折野さん
特に、ダブルタイヤと比べて静粛性と振動吸収性が改善された点は、赤ちゃんにもママやパパにも大きなメリットがあります。ダブルタイヤは軸の隙間や接地面が多く、振動や走行音が目立ちます。一方、シングルタイヤは接地面が少ないため、静粛性に優れ、赤ちゃんも快適です。

さらに、タイヤの素材にこだわり、空気の層を入れるなど弾力を持たせる設計にしています。この工夫により、振動や衝撃をしっかり吸収し、赤ちゃんもママやパパも快適に使えるベビーカーになったんです。

タイヤの中を空洞にした「中空構造」で、高いクッション性を実現。

タイヤの中を空洞にした「中空構造」で、高いクッション性を実現。

――「振動吸収」はクッションに目がいきがちですが、タイヤやフレームなどの足元の方ががポイントなんですね。

渡邊さん
そうなんです!実は、クッションよりも足元の方が重要で。ピジョンのベビーカー開発のポイントは、衝撃がシートに届く前にタイヤ部分で抑え、安全性と走行性を同時に高めること。直径が18cmや16.5cmの大きなタイヤを採用しているのもその理由のひとつです。

振動が大きいと、赤ちゃんが不快なだけでなく、押しているママやパパの手にも振動が伝わります。振動を軽減することで、「もう少し先までお出かけしてみよう」という気持ちが生まれるんです。ピジョンでは“にっこりの循環”という考え方を大切にしています。ママやパパがにっこりすると赤ちゃんもにっこり。家族のお出かけがより楽しいものになると信じています。

担当者が伝えたい!ベビーカー選びのチェックポイント

①シングルタイヤ

\「Runfee(ランフィ)」は、16.5cmと18cmの大径タイヤを採用/

「Runfee(ランフィ)」のシングルタイヤのアップの画像

大きなタイヤは安定感があり、段差をラクに乗り越えられます。「Runfee(ランフィ)」では16.5cmと18cmの大径タイヤを採用し、赤ちゃんとママやパパの快適なお出かけをサポートします。

背面式(左)では、成長して体重が増えた赤ちゃんをしっかり支え、安定したスムーズな操作を実現します。赤ちゃんが小さい頃によく使う対面式(右)では、18cmの大きなタイヤが赤ちゃんの頭の真下に位置し、しっかり支えて安心感を与えます。

背面式(左)では、成長して体重が増えた赤ちゃんをしっかり支え、安定したスムーズな操作を実現します。赤ちゃんが小さい頃によく使う対面式(右)では、18cmの大きなタイヤが赤ちゃんの頭の真下に位置し、しっかり支えて安心感を与えます。

②押しごこち

\「Runfee(ランフィ)」は、「超精密ボールベアリング」搭載し、ず~っと快適な押しごこち/

「Runfee(ランフィ)」のボールベアリング搭載部分のアップの画像

ベビーカー選びでは、小回りのしやすさや滑らかな旋回性が重要です。「Runfee(ランフィ)」は、タイヤのキャスター軸のところに「超精密ボールベアリング」を搭載することで、長く快適な押しごこちを実現しました。密閉構造になるので、砂やホコリなどの異物の侵入を防ぎ、長期間使ってもスムーズな操作感が続きます。さらに、適度な摩擦を加える工夫で、タイヤが回りすぎないように設計し、走行中の安定性も向上させています。

▶「超精密ボールベアリング」の開発秘話の記事もチェック!

③衝撃の吸収性

\「Runfee(ランフィ)」は、振動や衝撃を抑えるサスペンションを2つ搭載!/

「Runfee(ランフィ)」のサスペンション部分のアップの画像

赤ちゃんやママ、パパのストレスを軽減するためには、振動や衝撃を足元で吸収することが大切です。「Runfee(ランフィ)」では、車の設計を参考にして、コイルサスペンションとゴムサスペンションを組み合わせました。コイルサスペンションが微振動を、ゴムサスペンションが強い衝撃を吸収する2段階構造で、どんな道でも快適な押しごこちを提供します。

サスペンションはクッション性を高めます。強い衝撃を吸収するため、デコボコ道でもスムーズ!

④がたつきのない強いフレーム

\「Runfee(ランフィ)」は、大事な部分をしっかり溶接!/

ピジョンのA形ベビーカー「Runfee(ランフィ)」のフレームの溶接部分を横から見た画像 ピジョンのA形ベビーカー「Runfee(ランフィ)」のフレームの溶接部分を上から見た画像

ベビーカーの車体の剛性が高いほど、押すときに力が無駄なく伝わり、操作性が向上します。「Runfee(ランフィ)」は、パーツを単純に繋ぎ合わせるのではなく、重要な部分を溶接して組み立てています。この構造により、ガタつきを防ぎ、長く使っても安定した性能を発揮します。

しっかりとしたフレームで、足元だけでなく取手の部分もガタつきを軽減。さらに、シングルタイヤならではの足元の広さも魅力のひとつ。足があたりにくく押しやすいように、フレームを湾曲させたデザインもこだわり!

しっかりとしたフレームで、足元だけでなく取手の部分もガタつきを軽減。さらに、シングルタイヤならではの足元の広さも魅力のひとつ。足があたりにくく押しやすいように、フレームを湾曲させたデザインもこだわり!

⑤手を外に出さない配慮

\「Runfee(ランフィ)」は、手を挟まないようにシートを高く設計!/

「Runfee(ランフィ)」のシート部分の画像

赤ちゃんが活発になると、手足を伸ばして物に触れたり、身を乗り出したりすることがよくあります。そのときに、周りにある物や人との接触でケガをするリスクがあります。そこで、「Runfee(ランフィ)」では、シートに高さを持たせることで、赤ちゃんの手が外に出にくいよう設計されています。この「壁」のような高さが、思いがけない事故を防ぎ安心してお出かけが楽しめます。

⑥こころがウキウキするデザイン

\「Runfee(ランフィ)」は、毎日が心踊るデザイン!/

「Runfee(ランフィ)」の画像

毎日使うベビーカーだからこそ、デザインにもとことんこだわりたい。「Runfee(ランフィ)」はシンプルかつ洗練されたデザインで、一目惚れしてしまう魅力があります。スタイリッシュなシングルタイヤは、見た目にも美しく、日常を彩るアクセントに。そのほかデザインの細部へのこだわりは、使いやすさにも繋がっています。

合成皮革のハンドルは、「お気に入りのバッグや洋服を選ぶ感覚で、ベビーカーも選んでほしい」という想いから生まれました。見た目だけではなく、握りやすいのも特長。また、赤ちゃんの顔がよく見えるよう広く改良された幌窓など、細かな部分まで工夫がたっぷり詰まっています。

合成皮革のハンドルは、「お気に入りのバッグや洋服を選ぶ感覚で、ベビーカーも選んでほしい」という想いから生まれました。見た目だけではなく、握りやすいのも特長。また、赤ちゃんの顔がよく見えるよう広く改良された幌窓など、細かな部分まで工夫がたっぷり詰まっています。

ハンドルの角度調節もスムーズ。一つひとつのこだわりが、安心と楽しさをプラス!

この先の10年も。これからの展望

――発売から10年経ち、SNSなどでユーザーの声を目にしたり、街で実際に使っている方を見かけることも多いですが、「Runfee(ランフィ)」を通してこれからの子育て支援にどのように貢献していきたいですか?

加藤さん
実際に「Runfee(ランフィ)」を使ってくださっている方を見ると、とにかく嬉しくてたまりません! 街で見かけるとつい目で追ってしまいますね。「うちの製品を選んでくれてありがとう」と直接伝えたくなるほど感謝の気持ちでいっぱいです。

折野さん
ユーザーの声を聞けるのは、本当に貴重な機会です。良い意見も悪い意見も、今後の開発に活かしていきたいですね。「Runfee(ランフィ)」は10周年を迎えますが、まだまだ解決すべき課題もあります。たとえば、誤使用による転倒などのリスクを減らし、安全性や使いやすさをさらに高めていきたいです。

渡邊さん
私たちが目指すのは、家族みんなのお出かけが「最高に楽しい時間」になることです。そのために、まだ叶えられていないニーズを探しながら、製品を進化させていきたいですね。どんな方にも快適に、安心して使っていただける製品作りを、これからも続けていきたいと思います。

▶ベビーカー選びのポイントはこちらの記事もチェック!

今回取材したのはこの人

インタビュー中のチームワークもばっちりのみなさん。シングルタイヤベビーカー「Runfee(ランフィ)」を愛情たっぷりに企画する、ピジョン株式会社商品戦略の渡邊さん(左)と、開発担当の折野さん(中)と加藤さん(右)。

インタビュー中のチームワークもばっちりのみなさん。シングルタイヤベビーカー「Runfee(ランフィ)」を愛情たっぷりに企画する、ピジョン株式会社商品戦略の渡邊さん(左)と、開発担当の折野さん(中)と加藤さん(右)。

文・写真/エチカ

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