1才6ヵ月から食べられる「ぷちキッズごはん」が2024年8月に発売されました。実は、ピジョンにとっては初めての幼児食。どのような経緯でこの商品が誕生したのでしょうか?開発に込めた思いやこだわり、美味しさの秘密について、食品開発を担当した綿貫さんと、マーケティングを担当した江野口さんにお話を伺いました。
目次
忙しいパパやママの頼りになる、ピジョン初の幼児食
――見た目も鮮やかで美味しそうですね!とってもいい香りです。
わずか6分で完成!お米のとろりとしたやさしい味わい、シャキシャキした野菜の食感、旨みがたっぷり。
江野口さん
そうなんですよ!とっても簡単なのに手作りに近い味わいで、お子さまはもちろん、大人にも好評いただいています。
――この新商品の「ぷちキッズごはん」はどのような商品ですか?
「ぷちキッズごはん」は、「まろやかカレーごはん」「いろどり野菜の中華丼」「なめらかシチューごはん」の3種類。
江野口さん
「ぷちキッズごはん」は、ドライ製法(フリーズドライ・エアードライ製法)のベビーフードです。レトルトパウチの離乳食とは異なる食感や香り、風味が感じられるのが特長。忙しいママやパパでも手軽に作れるよう、作り方を工夫しました。お湯と水を併用することで冷まし時間ゼロで、すぐに食べられるようにしたんです。
パパでもあるマーケティング担当の江野口さん。「プロジェクトがスタートした当時、ちょうど子どもが1才半になったばかり。自身の経験を活かして開発に携わりました」
――水を併用するとはめずらしいですね!その詳しいお話は後で伺うことにして、まず『ぷちキッズごはん』はピジョンで初の幼児食とのことで、開発に至った経緯をお聞かせください。
江野口さん
ママ・パパたちの「市販の幼児食が少ない」というお悩みから企画がスタートしました。特に、離乳食期を過ぎた幼児食は選択肢が限られており、家庭で手作りする負担が大きいという声が多く寄せられていました。実際、市場調査でも幼児食の市販品は非常に少なく、特に離乳食を卒業したあとの商品は不足してるんです。
――離乳食と幼児食の違いはなんでしょうか?
綿貫さん
離乳食は歯茎で噛めるほどのやわらかさですが、幼児食は乳歯も生えそろってくるので、歯で噛めるある程度の硬さが理想です。この時期は、大人と同じような食事ができるようになる移行期間ですが、いきなり大人と同じものを食べるのではなく、硬さや味の濃さを徐々に調整していくことが大切です。
「『ぷちキッズごはん』はさまざまな食材の歯応えを楽しみながら、美味しく食事ができるよう味づけも工夫しました」と食品開発担当の綿貫さん。
江野口さん
初の幼児食ということで、パッケージデザインにもこだわりました。幼児食そのものの流通が少ない中で、子どもの写真を使用し、幼児食に悩んでいるママやパパの目に留まるよう工夫しました。さらに、安定した形状のカップを採用し、家庭での使用時に安全かつ使いやすい設計になっています。本当に美味しく仕上がったので、その美味しさが伝わるような写真もデザインに取り入れています。
幼児食用だとパッとわかるパッケージデザイン。美味しさがダイレクトに伝わる、シズル感のある写真が目をひきます。
ママたちの声を反映した商品開発、4つのこだわり
――『ぷちキッズごはん』の開発でこだわったポイントをお聞かせください。
こだわりポイント1 幼児に適切な味付け
しょっぱすぎる?薄すぎる?幼児食の味付けの悩みを解決
江野口さん
離乳食は作り方を調べるとたくさんでてきますが、先ほどもお話したとおり、幼児食となると途端に情報が少なくなるんです。そこで、どう作ったらいいか正解がわからないという声もたくさんありました。幼児食は大人の食事との橋渡し的な役割を果たします。硬さもそうですが、味つけも同様です。
綿貫さん
でも単純に大人の料理を取り分けて薄めるだけでは、美味しく仕上がらないんですよね。「ぷちキッズごはん」は、うま味を引き出すように気をつけたので、大人が食べても美味しいと感じていただけるのだと思います。
こだわりポイント2 日常の食事に取り入れやすいバリエーション
メニューがマンネリ化するママの悩みを解決
江野口さん
夕食のメニューはレパートリーを広げなければならなかったり、大人と子どもで作り分ける必要があったりと、大変ですよね。今回発売したのは、「カレー」「中華丼」「シチュー」3つの味なのですが、これは、お子さまが好きな味で、日常の食事にも取り入れやすいメニューとして決まりました。
綿貫さん
「まろやかカレーごはん」は刺激の少ないスパイスとコーンパウダーを使うことで、本格的でありながら優しい味わいを実現しました。「いろどり野菜の中華丼」は粉末醤油とガラスープの素でやさしい味わいに仕上げ、野菜の甘味をぐっと引き出しています。「なめらかシチューごはん」は塩分と乳製品のバランス考えた子どもが大好きな味付けです。どれもお子さまが美味しくぱくぱくと食べてもらえるように仕上げました!
離乳食と大人のご飯を食べ比べながらレシピを考え、試験・試作検討した回数は100回!「おかげさまで試食の段階から美味しいと評判だったと聞いて嬉しかったですね」と楽しそうに話すふたり。
こだわりポイント3 調理時間はたったの6分!
毎日の手作りでヘトヘト...でも美味しいものは食べさせたい!という願いを解決
江野口さん
「ぷちキッズごはん」は、手軽さが魅力です。共働き家庭では、保育園から帰宅して就寝までの時間が勝負です。そんな中で、子どもの食事をたった6分で用意できる点は、パパも料理にチャレンジしやすくなると思います。ヒントは、開発中に実施したモニターテストで「熱くてすぐに食べられない」という声でした。そこで、冷ます時間を短縮する工夫を取り入れました。
綿貫さん
具体的には、熱湯で調理後に水を加えて冷やしつつ、美味しく仕上がるように試行錯誤しました。この工夫は、調理時間を短縮し、すぐに適温で食べられるようにするだけではなく、安全面も考慮した重要なポイントでもあります。
\簡単&お手軽! つくりかたをチェック/
フタにあるつくりかたを確認
1.フタを開けて中身を取り出し、米とスープを入れます。
2.フタの裏側にある分量を目安に熱湯を入れます。
3.フタをして5分待ちます。
4.内線まで水を入れてよくかき混ぜて、あっという間に完成!
こだわりポイント4 ドライ製法で風味や食感を保持
いろんな食材の味や食感を感じてほしいけど、材料を揃えるのが大変!という悩みを解決
綿貫さん
離乳食と比べ、幼児食は噛みごたえのある「食感」が大切です。それを実現するために、採用したのがドライ製法(フリーズドライ・エアードライ製法)です。ドライ製法(フリーズドライ・エアードライ製法)なら、レトルトでは出せない自然な色味や風味を保てます。また、野菜のシャキシャキした食感や、お米の食べ応えも感じられるため、本格的な食事を手軽に楽しむことができます。
見た目も楽しく彩り豊かに野菜を配合!左から「まろやかカレーごはん」「いろどり野菜の中華丼」「なめらかシチューごはん」。
江野口さん
親としては子どもにいろんな食材を食べてもらいたい一方で、時間がないなか、幼児食の中華丼を作ろうと思ったら、材料をそろえて調理するのはけっこう大変で...それが「プチキッズごはん」の開発チームの努力によって、調理の手間を省きつつ手作りに近い味わいを実現したんです。
「子どもが美味しそうに食べてくれたのは嬉しかったですし、食育の観点からも、自然な風味を味わえる『プチキッズごはん』は親として安心ですね」と江野口さん。
子どもの「美味しい!」は、ママやパパの「嬉しい!」
――最後に、読者のみなさんに伝えたいおふたりがこだわったポイントはありますか?
綿貫さん
調理の工夫も含め、親と子どもの両方に嬉しい商品を目指しましたが、開発チームが最もこだわったのはやはり「美味しさ」です。味付けもそうですが、ゆっくり食べる子どものスピードも考慮して、時間がたっても美味しく食べてもらえる食感を目指しました。子どもに「美味しい!」と感じてもらうことが、ママやパパたちの安心感や喜びにつながると信じています。
右のカップに入っているのが出来立て。左の器に取り分けて時間を置いたものと比較。時間を置くと水分を含んだお米がよりとろりとした食感に。野菜の歯応えはそのままで、満足感もアップ!
江野口さん
私も開発スタート時に1才半の子どもがいたので、利用者目線で開発に携われたことは大きかったです。料理が苦手なパパでも手軽にバリエーション豊かな食事が提供できるのは、非常にありがたいと思います。また、「ぷちキッズごはん」は、お湯と水があれば調理ができ、日常的に食べながらも災害時に備える、ローリングストックにもおすすめなんですよ。ぜひお試しいただけたら嬉しいです。
ぷちキッズごはんシリーズ
今回取材したのはこの人たち
「プチキッズごはん」を企画したマーケティング部の江野口さん(左)と、開発担当の綿貫さん(右)。
文・写真/エチカ