“使い心地はそのままに”という考えのもと、暮らしに馴染む佇まいを目指して生まれた「母乳実感® Sheer(シアー)」。素材そのものの美しさを引き立てる、シンプルで上質な哺乳びんとして、このたび仲間入りしました。【後編】では、Sheerに込めた思いや細部へのこだわり、そしてこのシリーズを通して届けたい育児の時間について、開発を担当した打越さん、デザインを担当した伊藤さん・髙岡さんに伺いました。

「もっちり」を追求した、母乳実感の乳首

――これまでと、使い心地は同じとのことですが、改めて「母乳実感®」の乳首へのこだわりについて教えてください。

打越さん「母乳実感®」の乳首は、長年にわたる研究の積み重ねから生まれています。柔らかければいい、というものではなく、そこには“ちょうどいい塩梅”があるんです。
赤ちゃんは、ただ吸うだけでなく、舌で包み込み、つぶしながら飲んでいます。だからこそ、薄くして柔らかく見せるのではなく、適度な厚みと弾力を持たせることで、口の中で安定する「もっちり」とした口あたりを目指しました。赤ちゃんが自分のリズムで、無理なく飲めること。その感覚を大切にしながら設計しています。

赤ちゃんの飲みやすさに寄り添うために設計された、母乳実感ならではの「もっちり」した口あたり。そのこだわりは、パッケージにも記されています。

――実際に開発するなかで、赤ちゃんの反応で印象的だったことはありますか?

打越さん赤ちゃんは言葉を話せませんが、違いは分かっているんだなと感じることがあります。開発の過程では、多くの赤ちゃんに試してもらいながら検証を重ねてきましたが、表情を見ると、「これは違う」と伝わってくることがあるんです。大人よりも、むしろ繊細かもしれませんね。

「母乳実感® Sheer(シアー)」

「母乳実感 Sheer」の商品本体画像

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素材そのものが主役。3色に込めた“そのままの美しさ”

透明感と上質感は、パッケージでも表現されています。

――「Sheer」シリーズの色やディテールについて、こだわりを教えてください。

髙岡さん「Sheer」シリーズは3色展開ですが、それぞれのボトルの色を生かしたデザインなんです。その色味を活かしてキャップやフードのトーンを揃えることで、素材本来の良さを引き出しつつ、一体感のある上質さを目指しました。暖色と寒色のバランスも意識し、並べたときに自然な統一感が生まれるようにしています。

ピジョンではこれまで、3種類の素材の哺乳びんを展開してきましたが、「素材そのもの」にフォーカスしたデザインは、担当してきた中ではありませんでした。それぞれの素材の魅力を、色や質感で素直に表現したい──それが今回の企画の出発点です。あわせて、「柄のないシンプルなものがほしい」というお客さまの声も、企画を後押ししました。

「シンプルですが、素材の良さや丁寧なものづくりを大切にしている“ピジョンならでは”のこだわりを随所に感じていただける哺乳びんだと思います」と、デザインを担当した髙岡さん。

――なかでもこだわった部分はどこですか?

髙岡さんとくに苦労したのが、透明感の調整でしたね。キャップ部分は、透明にしすぎるとネジ部分が目立ったり、キャップとボトルの隙間に入り込んだミルクが見えることで、清潔感が損なわれたりすることがあります。

そこで、“見えすぎない清潔感”を目指し、試作を繰り返しながら、微妙な色味や透け感を何度も調整しました。見た目だけでなく、目盛りの見やすさや手触りなど、毎日使う道具としての使いやすさも大切にしています。

“見えすぎない清潔感”を目指し、透け感を丁寧に調整しました。

透明感は、この製品のひとつのキーワードですが、ただ透き通っているだけではありません。その中に、やさしさや、芯の強さのようなものも感じ取ってもらえたらと思いながら、デザインしています。

本体の色に合わせながらも、くっきり見やすい目盛りのデザイン。

また、これまでピジョンのキャップには、通常だと不透明色を使ってきましたが、今回は半透明の色を採用し、試作を重ねました。半透明といっても、きれいに見えるものもあれば、安っぽく見えてしまうものもあります。フード部分も含め、すべてのパーツを組み合わせたときに、全体として美しく見えるバランスには、特に気を配りました。

フードまで含めた全体のバランスを見ながら、“ちょうどよい透け感”を実現。
担当者でなければ気づかないほどのわずかな違いにもこだわり、生産工場とのやり取りを重ねながら、細部まで調整して、ようやく納得のいく色に決まったそう。

「母乳実感® Sheer(シアー)」

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「母乳実感®」の安心感に、Sheerらしい洗練を重ねて

箔押しのロゴが上質感を添える新パッケージ。透明感のある佇まいを、店頭でも伝えるデザインに。

――パッケージも一新されていますね。特に印象的なのがロゴのデザインです。

伊藤さん大切にしたのは、あくまでも主役は「母乳実感®」である、ということです。「Sheer」という言葉が読みやすく、シンプルで洗練された印象になるように、ロゴを設計いただきました。

安定感のある「母乳実感®」のロゴに、丸みがありながらも細く美しい「Sheer」のロゴを寄り添うように配置することで、これまで大切にしてきた価値観の上に、Sheerらしい軽やかさや洗練を重ねています。

商品名には箔押しを用い、主張しすぎず、それでいて手に取ったときに上質さが伝わる表現を目指しました。

「母乳実感® Sheer(シアー)」

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Sheerを通して届けたい、3人が見つめるこれからの育児の時間

Sheerに込めた思いを語り合う、設計とデザイン、それぞれの視点がひとつに重なった開発チーム。

――最後にみなさんにお聞きします。Sheerを通して、どんな育児体験を届けたいですか?

伊藤さん授乳の時間は短いですが、親子にとってはかけがえのない時間です。そのひとときが、少しでも心地よく、気持ちが整う時間になったらうれしいですね。

ベビー用品であっても、「おうちの空間になじむもの」や「自分の感性に合ったものを選びたい」という声は実際にあります。子育て中、ふと部屋を見渡したときに、少しごちゃっとして見える瞬間ってありますよね。そんななかでも、自分らしく落ち着いた気持ちで過ごせる授乳時間を届けたいと思いました。

「母乳実感® Sheer」が、子育てのなかで無理をしすぎず、自分の気持ちにも目を向けられるひとつの選択肢になれたらうれしいです。

打越さん哺乳びんは、使い捨てのものではなく、赤ちゃんが人生で最初に使う道具だと思っています。使用期間は限られていますが、親子にとっては特別な記憶と結びつく存在でもあります。

実際に、「使い終わったあとも大切に保管している」というお話を伺うこともあり、そのたびに開発者として大きな喜びを感じます。

だからこそ、設計において最も重視しているのは、安心して使っていただけること。親御さんには、不安なく授乳の時間に集中していただきたい。その思いから、素材の選定から耐久性、赤ちゃんが飲むための設計に至るまで、一つひとつ丁寧に向き合ってきました。

今回、環境に配慮した素材を採用したのも、今のママ・パパだけでなく、これから成長する赤ちゃんたちが暮らす未来まで見据えた選択です。世代を超えて育児に寄り添い続ける姿勢こそが、ピジョンらしさだと感じています。

「母乳実感® Sheer」もこれまでの商品と同様に、「magmag(マグマグ)成長実感」や「母乳実感パーツ」などが装着でき、哺乳びんとしての役目を終えても、形を変えて寄り添い続ける存在に※。
※magmag成長実感はプラスチック製240mlのみ取り付けが可能

髙岡さん哺乳びんは、赤ちゃんのための道具であると同時に、育児をする人の気持ちや暮らしにも寄り添う存在であってほしいと思っています。かわいいものも、シンプルなものも、その人の感性に合わせて選べる。そんな選択肢があることが、育児の時間を少し楽にしてくれるのではないでしょうか。

授乳という、その時期にしか味わえない貴重な時間を支えるツールに携われることは、私自身にとっても特別なことです。環境への配慮も、デザインも、すべては「赤ちゃんが最初に使う道具」であることから考えてきました。

私自身、普段は絵柄のある哺乳びんを担当することが多いのですが、忙しい育児の合間に、ふと目に入ったデザインに心が和らぐ——そんな瞬間が、確かにあると感じています。その思いは、Sheerでも変わりません。これからも、ピジョンの育児への姿勢を、ものづくりを通して体現していきたいと思っています。

今回取材したのはこの人

「母乳実感® Sheer」の開発に携わった、設計担当の打越さん(左)、デザイン担当の伊藤さん(中央)と髙岡さん(右)。

文・写真/エチカ

「母乳実感® Sheer(シアー)」

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